子どもが「見たい、聞きたい」と思う英語環境を整える
効果の高いインプットについて、尾島さんは量と質に加えて、“Compelling Input(コンペリング・インプット)”が大切だという。“Compelling”とは「何かせずにはいられない状態」のこと。すなわち、子ども自身が「どうしても見たい、聞きたい」と感じ、主体的に没頭できる素材を用いれば、脳は能動的に英語に慣れていく。
「一番効果があると考えられているのは、お父さんとお母さんの発話です。人工的な教材であれば興味が続くものを選びましょう」
そのほか、すでに身につけた言語のレベルより少し段階の進んだ英語を聞くと、習得がより促進されるという学説もあるそうだ。
子どもの脳の特性がルールの解説から学ぶことに適してないため、幼少期に文法などの規則を解説することは「効果はあまりない」と尾島さんは言う。
「言語の習得は、親がお尻をたたいてやらせるようなものではありません。幼いうちから発音や文法を正したら、英語嫌いになってしまうかもしれません。特に英語ができる親御さんは要注意です。おうち英語に取り組むなら、まずはわが子が『どうしても見たい、聞きたい』と思う英語環境を整えてあげられるのが理想的です」
【AERA English 特別号】英語に強くなる小学校選び 2025 (AERAムック)
朝日新聞出版
著者 開く閉じる