大分市の小学6年生の平松すみれさん(12)は今年3月、英検1級に合格しました。英検1級は読解力、語彙力、コミュニケーション力が高いレベルで問われます。海外経験のない小学生が、自宅学習のみで難関を突破できた要因は、母・あざれさんによる英語絵本をつかったユニークな育児法にありました。合格までの道のりを親子で振り返ります。
【写真】英語力を生かして活躍する2児のママタレントはこの人英語絵本をつかった育児 まずは音から、意味は後から
――英検1級は大学上級程度の英語力が必要とされますが、海外渡航経験もなく、小学生での合格は素晴らしいです。
すみれ ありがとうございます。自分の英語力に自信が持てました。小さいころから「英語の本を読み続けたこと」が、英検1級合格につながったと感じています。
あざれ 娘が生後半年ごろ、ボタンを押すと英語の歌が流れるおもちゃで遊ぶ姿に可能性を感じ、1歳になる前から自宅で英語絵本を読み聞かせたり、英語音源をかけ流したりして、英語に触れ続けてきました。我が家には今、日英両方の絵本・児童書が約7千冊ありますが、娘はとにかく本が好き。4歳のころにはアルファベットも自然と覚え、英語の本を自力で読めていました。
すみれ 最初は1ページに1文しかないような絵本を読んでいたと思います。幼稚園では日本語、家に帰ると英語に触れていたので「英語は特別」という感じもしなかったです。
あざれ ドクター・スースの作品もよく読みました。スースの物語には「Mouse」と「House」、「Fox」と「Box」など、繰り返し韻を踏むことで、子どもが自分で「ライミングワード」(同じ音を持つ単語)に気付くような仕掛けがたくさんちりばめられています。先に英語の音を聞かせてから、絵本を開くといった工夫もしました。英文を耳で覚えていると、子どもは初見でも「自分で本を読めた」気分になれます。
すみれ 幼稚園のころは、英語版『アナと雪の女王』『モアナと伝説の海』の映画にもはまりました。
あざれ 好きなキャラクターのセリフを繰り返しまねするうちに、丸暗記していましたね。平家物語の「祇園精舎の鐘の声…」の暗唱ではありませんが、最初から英語の意味を理解する必要はなくて、後から音と内容とがリンクすればいいと思っています。
次のページへ小2で『ハリー・ポッター』を原書で読破