机が教室奥に置いてあったときは、内線が鳴っても受話器を取るのに時間がかかりました。歩いていって受話器を取った瞬間に、内線が鳴りやんでしまったというもどかしい経験が何度もあります。

 でも、机の位置を変えたことで、すぐに内線の受話器を取れるようになりました。校内放送のスピーカーの音量が大きすぎて、子どもたちが驚いても、すぐに調整できるようになりました。子どもの体調に合わせて、エアコンや扇風機などの空調の調整をすぐにできるようになりました。すぐに廊下に出られるので職員室と教室との行き来も以前より楽になりました。

 以上、教員22年目にして、初めて教室の担任机を“教室前方の廊下側”に置いてよかったことを紹介させていただきました。

 子どもにとっても、教師としても、担任机を“教室前方の廊下側”してよかったと感じています。「このよさにもっと早く気づいておけばよかった!」と、悔しい気持ちになるほどです。これからも、教師として仕事の改善を積み重ねていきたいです。

(文/松下隼司)

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松下隼司
松下隼司

1978年生まれ。奈良教育大学卒業。大阪の公立小学校に勤める現役教師。2児の父親。文部科学大臣優秀教職員表彰を受賞。令和6年版教科書編集委員を務める。著書に絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)、『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、教育書『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、『教師のしくじり大全 これまでの失敗とその改善策』(フォーラムA企画)などがある。教師向けの情報サイト「みんなの教育技術」で連載を持つほか、Voicy「しくじり先生の『今日の失敗』」でパーソナリティーを務める。

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