都内で中学受験塾「應修会」を主宰する茂山起龍(きりゅう)さんのAERA with Kids+連載「中学受験、その先に」。9月に入り、小学6年生は模試も増え、さらに忙しくなってきていると思います。志望校の過去問や模試を終えたあと、親はどんなケアをしたらいいのでしょうか。茂山先生は、解き終わった後の「声かけ」が大切だといいます。具体的に、どんなふうに声をかけたらよいのか、ポイントを聞きました。

MENU 小6の9月、10月は何をしたらいい? 過去問や模試の後、なんと声をかけるのが効果的? なぜ、過去問や模試を解いたあとに「言語化」することが重要なのか アウトプットを想定し、問題と向き合う

小6の9月、10月は何をしたらいい?

――志望校の過去問対策に取り組むなど、小学6年生は受験勉強の大詰めを迎える時期です。生徒たちにはどのような声がけをしていますか?

 基本的には「9、10月に過去問の合格最低点に届くか否かは必要以上に気にしなくていい」と伝えています。もちろん、それがチャレンジ校なのか、安全校なのかにもよりますが、それよりも早めに問題の内容を見て戦略を立てるほうが大切かな、と思っています。「点数」を意識するよりも、多く出題されている単元や問題形式を理解し、得手不得手をつかみにいくほうが大事なことだと考えています。

 過去問に向き合ううえでは、「国語」には早めに取り組んだほうがいいと個人的には思っています。記述が多いのか、選択問題が多いのかなど、もっともパターンの違いが現れやすいのが国語だと思うからです。点数だけで、志望校との相性や合格の可能性を判断するのは危険であり、どういった問題なら正解でき、解けなかったとしたら何が課題なのか。時間が足りないのか、ほかに要因があるのか……など、なるべく突き詰めて考えてほしいと思います。

過去問や模試の後、なんと声をかけるのが効果的?

――過去問を解き終わった後、親はどのような声がけをするべきなのでしょうか。

 模試の後でも言えることですが、子どもたちには「どんな問題が出た?」と尋ね、感触を言語化してもらうのがいいと思っています。これは僕自身、自分の子どもの受験期におこなってきたことであり、塾生の保護者の方々にも常々お伝えしていることです。

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茂山起龍
中学受験塾「應修会」塾長 茂山起龍

しげやま・きりゅう/1986年生まれ。中学受験を経験し、大学附属校に入学。大学在学中から個別指導塾、大手進学塾などで中学受験指導に携わる。会社経営の傍ら、2011年、東京・西葛西に中学受験指導塾「應修会」を開校。自らも教壇に立って指導を行う。中学2年、小学6年の男子の父。X(旧Twitter)での中学受験についての発信も人気で、フォロワーは1万人を超える。X: @kiryushigeyama

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