漠然と「どうだった?」と声をかけ、「できた」「できない」といった回答を求めるのではなく、問題の内容を思い出せるような聞き方をするのがポイント。親側も、聞く目的をはっきりさせ、子どもたちが答えやすいように質問することが大切だと思います。
たとえば、国語において「どんな文章が出た?」「説明文はどんな内容だった?」と聞いたとして、うまく答えられなかったら往々にして点に結びついていない。逆に、出題された漢字や物語のプロットをきちんと言えているときは点数にも結びついている。
算数なら「速さや場合の数が出題された」「苦手な単元は飛ばし、最後までたどり着くことを優先した」、理科・社会であれば、どんな単元が出題され、どう答えたのか、子どもが丁寧に説明できるような聞き方を心がけるといいと思います。
なぜ、過去問や模試を解いたあとに「言語化」することが重要なのか
――言語化することで何をどう修正していけばいいのかが見え、前向きな発展にもつながりますね。
解いた実感を言語化することは、“直しのスタート”だと僕は思っています。時間切れで解けなかったのか、問われている内容がわからなかったのか、では同じ点数でも対策の仕方が違いますから。記憶の新しいうちに言語化したほうが、直しも早く終わると感じています。
これは、入試本番でも有用だと思います。得点が開示されない学校も多いなか、どれだけ解けて、それがどう合否に結びついているのか、本人の感覚と実際の結果を紐づけながら、第1志望校に臨むことができるようになるからです。
アウトプットを想定し、問題と向き合う
――こうした声がけは、小学4、5年の頃からも始められそうですね。
スポーツの試合の後も、自身のプレーを振り返る場はありますし、仕事でも反省会はしますよね。それと同じです。親が聞き続けることで、子どもたちも自然と答えられるようになる。「親に聞かれる」と思うことで、アウトプットを想定し問題と向き合うことができるようになります。
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