中学入試(社会)の傾向と対策を、文教大学地域連携センター講師の早川明夫さんが解説。今回は、2024年度の入試でよく出題されたテーマや、時事問題が出題される範囲についてです。神奈川大学附属中学校の社会で実際に出題された問題と解説も紹介します。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年7月号』(朝日新聞出版)からお届けします。
【問題を見る】実際の入試問題と解答はこちら(2枚)傾向1)7月までのニュースが大半
時事問題とは、主に受験する年の前年、来年度の入試でいえば今年(2024年)に起こった日本や世界の重大事件などに関する問題を指します。
年によって若干異なりますが、例年、約8~9割の学校で出題されています。特に際立った違いはみられませんが、女子校での出題が多いです。
次ページで紹介する神奈川大学附属中学校の社会では「2023年1月~7月の出来事」として「G7広島サミット」などが出題されました。一般的には、入試問題は夏休み中に作成されることが多いため、7月までの出来事からの出題が多いです。しかし、出来事の重大性によっては、12月に起こったことが出されることもあります。例えば、2004年12月26日に発生したスマトラ沖地震が、翌年の2月、3校で出題されました。年内の出来事は油断できないと思います。
傾向2)「周年問題」もチェック
受験の前年または受験の年が節目となるような歴史上の出来事に関する問題を「周年問題」といい、時事問題に含めています。
2024年度の入試では、2023年が発生して100年にあたる関東大震災について、首都圏を中心とした国立・私立中100校中16校、理科でも2校で出題されました。
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