実際に、受験熱は日本でも高まっていますね。“良い大学”を出て、“良い会社”に就職するのが成功という固定観念が、社会にはまだまだ深く根付いているように思います。ただ、実際のところ、「生きる力」があるかどうかを考えると、どうなのかな、と。

 私は体験学習こそが子どもを成長させるし、人も成長させると思っています。やっぱり頭で考える以外のことが、人生ではたくさん起きますよね。自分なりの想像力を持って仕事をしたり、事業を起こしたりする人たちもいます。

 誰かに決められた枠にとらわれるのではなく、自分が何をしたいか、どういう道に進みたいかをまず考えることが大事。基本的な読み書きができて、ある程度の計算ができたら、あとは、自分のやりたいことを見つけて頑張るほうが、最終的には良い教育になるんじゃないかと思っています。

 きっと、今の子どもたちが大人になるころには、今ある職業が減って、想像もしなかった職業が増えているはず。“インフルエンサー”や“ティックトッカー”なんて、昔はいなかったですもんね。

「今は、『いいね』の数で広告収入を得る時代なんだよ」と息子に教えてもらって、「なるほどね」と驚きました。

「ありがとう」と「お願いします」は、子どもの前で私が率先して言うように

 子どもが3人いれば、やっぱり大変な時もありましたが、彼らももうずいぶん大きくなって、自分で考えられるようになってきました。なので私が怒ったりすることはあまりないですね。

 うちはスマホもSNSも基本はOK。現代の子たちのコミュニケーションツールだから、取り上げても仕方がない、と思っています。ただ、家庭のルールはある程度決めていて、その理由も説明します。

「明日学校だよね。何時には起きないとダメだよね。そのために何時に寝ないと起きられないよね。じゃあ、何時までゲームができる?」と最後は問いかけて。
「まだもう少し起きていても大丈夫」「金曜日は夜遅くてもいい」など、彼らなりの考えもある。

 寝坊をして起きられず、遅刻をしたら怒られるのは本人。そこは自己責任で見守っています。

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