映画やドラマではクールな美しさが光る俳優の小雪さん。プライベートでは3人の母であり、近年は農業にも取り組んでいるといいます。田舎と都会の2拠点生活を通して、子どもたちに伝えたいこととは? 小学生のママパパに向けた子育て情報誌「AERA with Kids24年秋号」(朝日新聞出版)からご紹介します。

MENU 教科書ではなく、暮らしの中で知る経験を大切にしたい ドラマ「スカイキャッスル」の世界観は、「まったく無縁のもの」 「ありがとう」と「お願いします」は、子どもの前で私が率先して言うように

教科書ではなく、暮らしの中で知る経験を大切にしたい

 数年前から、田舎と都会の2拠点で生活をしています。12歳の長男を筆頭に、11歳の長女、9歳の次男の3人の子どもたちは、農家さんのお手伝いもして、自然の中での生活が中心ですね。

 いい意味で本当に「何もない場所」なので、野菜を育てたり、保存食を作ったり、想像力を働かせてゼロからイチを生み出す面白さがある。子どものうちにたくさん体験をしてほしいですね。

 もちろん都会には都会の良さもあります。子どもでも身近に芸術に触れる機会が多かったり、自分の中にあるものを引き出して表現できるのは都会ならでは。

 わが子たちも「都心は自分でいろいろなところに行けて楽しい」と言うこともあれば、「この野菜がこんな値段で売られているんだ。こっちなら自分で作れるのに」「都会は便利だけど、便利さにまみれちゃうね」などと言うこともあって、子どもなりの視点を持っています。両方を体験して、いろいろ感じてほしいですね。

 農家の方たちは毎日働いていて、季節に応じてお野菜を干したり、魚をさばいて干物にしたりとお忙しく、頭が上がりません。雪の下に野菜を埋めて天然の冷蔵庫として利用するなど、知恵が豊富で学ぶことばかり。そうしたことを教科書ではなく、暮らしの中で知ることができるのは貴重な経験だと思っています。

ドラマ「スカイキャッスル」の世界観は、「まったく無縁のもの」

 今回、出演するドラマ「スカイキャッスル」は、高収入家庭の子どもたちの受験戦争を描いた作品。私は過去に影を持つ受験コーディネーターの役ですが、ドラマの世界観も、演じるキャラクターも、普段の私とはまったく無縁のもの。正直、共感できるポイントはほとんどないです(笑)。だからこそ、まったく別の世界だと思って楽しんで演じています。

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玉居子泰子
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