ゾンビ万体倒したよ!」と言われて心配に

――ただ、「ゲーム」と言っても、いろいろありますよね。自分で考えたり作ったりする要素があるものや、ピースフルな世界観のものはさておき、戦闘系のものは親としてやはり心配です。

 たしかに、ゾンビを倒すような戦闘系ゲームばかりに熱中していると心配になりますよね。「お母さん、ゾンビ◯万体倒したよ!」と言われても……と(笑)。戦闘系だと、子どもが乱暴な言葉遣いになったり、興奮して怒ったりするので、心の面でも心配になると思います。子どもが「クソッ!」「使えねーな!」などとあおるような言葉を発していると、親としてはちょっと見逃せないぞと感じてしまいますよね。

――そうなんですよね。子どもへの影響はどうなのでしょうか。

 ゲームや動画に没頭して、子どもたちの心は大丈夫なのかを児童精神科医に聞いたところ、心への影響は心配ないそうです。例えば、大人でもスポーツ観戦中に「何やってんだ!」「そこじゃない!」と言葉が荒くなったりしますよね。あれは興奮状態であって、一時的なものなので、その状態のままずっと生活するかというとそんなことはない。5分とか短時間で終わるものなので大丈夫だそうです。

 また、ゲーム依存について心配する声もあります。先ほども言ったように、不登校になってからゲームをずっとやっている場合、本人が何かしらの孤独感やストレスを抱えていて、すごくきつかったり孤独感が強かったりすることを紛らわせたい。やることがなくて惰性でゲームをしているケースもあります。結果として、ゲームをやり続けることになるんですね。

子どもにルールを決めさせて

――親側は、どうしてもゲームや動画を「悪」だと思ってしまいがちです。とはいえ、長時間やるのはやはり心配…となると、ルールが必要ですよね?

 子どもは制限されるほうが、長い時間やりたくなる傾向にあります。制限や条件を付けても結果的にうまくいかないというケースが多い。たとえば親が「30分ね」と決めて、子どもが「うん」と返事したとしても、結局はその後に「30分って言ったじゃない!」って、言い合いになったりしませんか? 

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