「不登校は誰にでも起こり得る」と話すのは、臨床心理士の南谷則子さんです。

「不登校になるきっかけは多岐にわたります。だからこそ、特別な子に起こる問題ではありません。多様な要因が複雑に絡み合い、結果として不登校という状態になっている。『学校に行かない』ということは、ストレスに対処しようとする行動の一つに過ぎないのです」(南谷さん)

 しかし、理由もなく学校を休みたがる子どもに親は困惑するもの。

「学校に行きたくない」という言葉が深刻なものなのか、一過性のものなのか。その見極めは?

「親としての直感を信じてみてください。子どもを見て、『いつもと違う』と感じたら、その直感どおり何かが起きているはずです。休む・休まないの判断が難しいときは、休ませてみるのがいいと思います。『ときには休んで、手を抜いても大丈夫!』と、休み方や力の抜き方を教えてあげることで、社会に出ても自分らしく生きていけるのではないかと思います」(石井さん)

 子どもに見られる代表的SOSを知っておくことも大事です。

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