屈折度数はD(ディオプトリー)であらわされ、弱度近視-0.5D以上-3.0D未満、中等度近視-3.0D以上-6.0D未満、 強度近視-6.0D以上となっています。

 強度近視の人は近視がない人に比べ白内障のなりやすさが5倍、緑内障は3倍、網膜剥離(はくり)は13倍、いずれも、失明になりうる目の病気です。つまり、子どもには近視にさせないこと、また、たとえ近視になっても近視の程度を進行させないようにする努力が大切です。なお、できるだけ近視を早期に見つけ、対応することが重症化予防になるといわれています。

子どもの近視に親が気づくポイントは

Q 子どもの近視を早く見つけるにはどうすればいいですか?

 地方自治体が実施している「3歳児健診」は必ず受けてください。3歳児健診は主に視力が未発達である「弱視」を発見するのが大きな目的ですが、3歳ですでに近視のお子さんもおられます。現在、子どもにも簡単に検査ができる屈折検査機器が多くの自治体に導入されており、子どもに負担なく原則、数秒~十数秒程度で屈折検査ができます。

 また、3歳児健診に限らず、子どもがなんだか見にくそうにするなど、気になったら眼科に相談することをおすすめします。もちろん、幼稚園や保育所、小学校の検査で、受診をすすめられたら必ず眼科に行くようにしてください。

Q 近視の治療は、いまの医学では難しいのでしょうか?

 伸びた眼軸を治す方法は現段階ではありません。民間療法や代替医療は疑問を感じるものが多いです。保険適用外であるオルソケラトロジー(夜、就寝中にハードコンタクトレンズを装用する)なども含め、治療を受けたいと考える場合、まずは、眼科専門医に自分の目の状態も含め、本当に効果があるのかを聞いてほしいと思います。

子どもの近視を抑制するには、「外遊び」がおすすめ

Q 近視の進行を抑制する治療はありますか?

 現時点で保険適用になっているものはありませんが、シンガポールで開発され、近視の進行を予防する「低濃度アトロピン点眼」という目薬が、日本国内で承認申請中とのことです。

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