わが子の将来の大学進学を考えたとき、「付属校を選択」「指定校推薦枠が多い学校を選択」する保護者も多いと思いますが、最近ではこれらに加えて「高大連携先が多い学校を選択」という動向も目立ちます。学校選びの新しいキーワード「高大連携」とは何か? また、指定校推薦との違いは? 中学受験の専門家として、講演、執筆、セミナーの開催など幅広く活躍する安田理さんが解説します。『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2025』(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU 緊密化する中高と大学  「高大連携」が急拡大 提携で多いのは女子校と医療系・理工系の大学 「高大連携」は“Win-Win”の関係

緊密化する中高と大学

「高大連携」とは、高校と大学が連携して教育を行う仕組みのことを言います。

「高大連携」について説明する前に、「付属校」「系属校」について考えていきたいと思いま
す。付属校とは大学と同一学校法人の中高のことを言います。厳密に言うと、校名に「付属、附属」とついていても、学校法人が別の場合は厳密には「系属校」として扱います。

 近年の例では中央大学附属横浜(前横浜山手女子)、青山学院横浜英和(前横浜英和女学院)、目黒日本大学(前日出学園)、青山学院大学系属浦和ルーテル学院(前浦和ルーテル学院)といった学校が「系属校」となっています。

 中央大学附属横浜の場合はその後「付属校」へと昇格。目黒日本大学は「準付属」とされています。2026年には日本学園が明治大学の「系属校」となり、校名も明治大学付属世田谷に変わります。さらについ最近、順天学園と北里大学の法人合併、宝仙学園と順天堂大学との系属校協定締結とのニュースが立て続けに流れました。

 なぜ「系属校」が増えるかと言えば、付属校を設置することは、施設や先生の雇用等莫大な経費がかかり、経営責任も生じます。別の学校法人であればお金を出す必要はなく、問題があれば関係を解消できるなどリスクはありません。そうした理由から「付属校」は増えず「系属校」が増えているのです。

 「高大連携」が急拡大

「付属校」「系属校」は当然、併設大学への進学がメインの学校です。メリットとしては、

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