・中高在学中から大学教授の講義、研究室訪問など大学の学びに触れられる。

・大学の付属だけに施設・設備が恵まれている。

・文理分けせず幅広く学べる。

 近年、「探究学習」が広がっています。生徒が研究したがるテーマはそれこそ千差万別。自校の先生だけで手に負えるものではありません。より深く研究するには大学の先生の手を借りたほうがいいわけです。

「高大連携」の内容には推薦枠が伴うケースもありますが、それは付随的なもので、「高大連携」の本質は「探究学習」にあると捉えたほうがいいでしょう。熱心に取り組んでいる中高の校長も、「大学の学びに触れることで、中高の学びとの違いを知り、また自分自身でも気が付いていなかった興味・関心を発見できたりする」と言っています。

提携で多いのは女子校と医療系・理工系の大学

 高大連携先に医療系の大学が多いのは、女子生徒の進学希望先として医歯薬看護系が多く、こうした分野の大学の学びを事前に知っておくことでモチベーションを高め、なおかつミスマッチを防ぐうえで有効だからです。また、理工系大学は“リケジョ”の育成に力を入れていることから女子校との提携に熱心です。このほかリベラルアーツ系の大学とプロテスタント系女子校、上智大学とカトリック系の女子校・共学校というケースも多数あります。

「高大連携」は「指定校推薦とどう違うの?」と疑問を持つ人が多いかもしれません。指定校推薦は、大学から基準を示されるだけでいわば一方通行。生徒はどうしても「大学名」や「入れる大学」で選んでしまい、学びたい内容よりも世間の評判を基準にしてしまいがちです。そのため、入学後に思っていたものと違い、勉強意欲をなくしてしまうケースも。

 それに対して高大連携では、大学の講座や行事などに参加したり、大学の教授が高校に出張授業をしたりなどの交流を行うため、事前に双方向のコミュニケーションが図れます。

「高大連携」は“Win-Win”の関係

 まず大学側から考えてみます。今後、大学受験人口は目に見えて減少します。たくさんの大学の中から高校生に選ばれるためには知ってもらうこと、親近感を持ってもらうことが大切です。そこで「高大連携」に力を入れているのです。

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