一方、シングルタスクの子は、好き嫌いで考えるため、「やる順番」が大切です。やる気を出すために、まずはやりたいものから取り組みます。子どもの気分が乗ってきたら、次にやりたくないものをやって、最後にまたやりたいものをやる「サンドイッチ形式」がおすすめ。嫌いなもの・苦手なものを好きなものの間に挟むことで、最後までやり遂げやすくなると思います。

――親が子どものタイプに合わせて勉強の方法を提案しても、子どもの年齢が上がってくると難しい場合もあります。

 小学3、4年生以上の思春期入り口の子には、「雑談」からのアプローチはどうでしょうか。勉強とは全然関係のない食べ物や天気の話などいろいろとしゃべっていくうちに親との信頼関係が生まれ、雑談の中で子どもの口からポロッと「算数がわからなくて……」といった勉強の話題が出てくるんです。そこで初めて「どんな感じなの? ちょっと一緒にやってみる?」といった具合に提案するわけです。

 親から「学校の勉強は大丈夫なの?」「テストの点数悪かったけど復習しなくていいの?」などと根掘り葉掘り聞くと嫌がられますが、子どもが自分から勉強のことを口に出しているので、学びに対して気持ちが向いている状態といえます。問題解決に向けて、親子で一緒に考えていくと、子どもが自分から進んで学ぶようになると思います。

(構成/布施奈央子)

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布施奈央子
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