一口に宿題といっても「算数」と「国語」をやるのでは気分が違いますよね。「漢字ノートはこの時間のこの場所ならやれる気がする」とか、「音読は寝っ転がりながらやるのがいい」「ここでやると計算ミスがなくなりそう」とか。ぜひお子さんと、いつ、どこでならやる気が出るか、調査してください。調査中は勉強できますしね(笑)。

 勉強道具を移動できるようにして、好きなところで勉強するという探り方をしていくと、お気に入りの学習場所が見つかると思います。子ども自身が「ここでやる!」と決めることが、やる気が出るポイント。勉強への自主性も出てくるはずです。取り組む場所や時間、順番を軌道修正するうちに、自分なりの勉強の傾向が見えてきて、1~2週間続けると習慣化していきます。習慣化できると、努力しなくてもその場所に行くと自動的に取り組めるようになります。

「マルチタスク型」と「シングルタスク型」

――子どものタイプによって親の関わり方も変わりますか?

 私は、大人も子どもも大きく分けて次の二つのタイプに分けられると考えています。

石田勝紀さんのお話をもとに編集部で作成
石田勝紀さんのお話をもとに編集部で作成

 問題が起こりやすいのは、親と子でタイプが違うときです。よくあるのは親がマルチタスク型、子がシングルタスク型のケース。親は「先に宿題すれば後が楽でしょ」と損得で考え、子どもは「嫌いだからやらない」と後回しにしてぶつかる。一方、親がシングルタスク型、子がマルチタスク型の場合、親が「うちの子は何も言わなくても宿題を終わらせている」と感じる方が多いようです。

 ただし、子どもの場合、10歳くらいまでは好き嫌いで物事を判断するシングルタスク型に見えることも多くあります。マルチタスク型の子の見分け方ですが、効率的なやり方やスケジュール管理が好きな傾向があります。全体を把握したうえで優先順位を決めたり、手順があると安心して取り組めたりします。自分で管理したとおりにやり遂げることで成長している実感も得られ、得した感覚になるようです。テストでいい点数を取れたらうれしい。やるもの(勉強)が好きか嫌いかは関係なく、得をすればいいというタイプなのです。

次のページへ一方、シングルタスクの子は?
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