姿勢改善をしやすいのは7歳ごろまで

――姿勢の改善は何歳でもできますか? 取り組んだ場合、どのくらいで効果は出てくるのでしょう?

 おすすめのタイミングは7歳ごろまで、できれば10歳ごろまでによい姿勢を身につけられるといいですね。早い時期によい姿勢があたりまえになれば、その後も崩れにくくなるからです。もちろんそれ以降でも改善は可能ですが、少し時間がかかります。脳が習慣として覚えるまでには21日かかると言われているんですよ。もちろん、よくなったからといって油断は禁物。定着するまで長期的に気をつけていくことが必要です。

 なぜ7歳なのか。補足をしますと、これには小脳の働きが関わっているからです。小脳は、運動やバランスをコントロールしている部位ですが体で覚えるということも担当していると言われています。そして、一度身体で覚えたことを記憶し、誤ったことをしようとするとき抑制するという働きもあります。これを「小脳の長期抑制」といいます。小脳は7歳ごろに発達のピークを迎えるので、それに合わせれば習得がより容易になりますし、その後の定着もしやすくなります。

 悪い姿勢でいた時間が長ければ長いほど、よい姿勢に戻すには時間と労力がかかりますが、今からでも遅くありません。子どもの成長のためにも、できるだけ早いうちに、よい姿勢に上書きしていってほしいですね。

(取材・文/石村紀子)

※前編<「子どもの猫背」はなぜよくないのか? 姿勢の悪さがもたらす影響を理学療法士が解説>はこちら

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石村紀子
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