3人男子の親でコミックエッセイストのtomekkoさんは、子どもが中学生になって「自分自身の空回りした青春の記憶」を思い出した、といいます。まわりのキラキラした友達を見てはその波に乗ろうと必死になったり、話を合わせて無理をしたり。青春って何をすること? 思春期に入った子どもに何を伝えたらいい? tomekkoさんが「青春」のとらえ方について綴りました。
長男がこの春中学校に入学しまして、いよいよ関わり方が難しいお年頃に……なるかと思いきや、あまり小学校時代と変わらずちょっと拍子抜けしております。
いや、なんなら小学校の時よりも和気あいあいと家族で会話していて、ん?反抗期いつくるの?という状況です。
まわりの中1たちをざっと見回すと、男子は声変わりしたてのガラガラ声で大人のような会話をしていたり、男女混合で遊びに行ったり彼女ができたらしいなんて噂が聞こえてきたり、はたまた部活動で真っ黒に日焼けしたりと、あーなんだかみんな青春してんなぁとおばさん眩しくなっちゃうんですが。
長男にもそのうちそんな日が来るのかしら。楽しみなようなちょっと寂しいような……。
いや? ぜんっぜん来る気配もないな?
学校での休み時間は本を読んで過ごし、部活には入らずまっすぐ帰ってきて毎日ひたすら素振りをして終わった1学期。休日は野球に明け暮れていますが、そちらもおとなしすぎてチームに馴染めているかというと……。
えっと、青春ってなんでしたっけ。
『青春』とは――五行説で青は春の色であるところから、夢や希望に満ち活力のみなぎる若い時代を人生の春にたとえたもの。青年時代。(「デジタル大辞泉」より)
わが家は子どもたちが高校野球好きなので、甲子園でチームワークが生むファインプレーに歓声を上げ、球児たちの友情と絆が見えたらジーンとするし、完全燃焼の涙に毎度涙腺崩壊しています。最終回2アウト満塁で感極まって涙する応援席の女子とかマネージャーなんて見ると、もう映画のクライマックスに似た感情が鼻の奥から突き上げてきます。
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