個性豊かな新設校の注目度高まる

 英語の授業で学校独自の取り組みを進める小学校も。「さとえ学園小学校(埼玉県)の英語授業は、小学校では珍しい習熟度別のクラス編成」と野倉さん。ほかにも 、東京農業大学附属稲花小学校(東京都)の英語授業は、「1年生から6年生まで毎日45分授業がある」という熱心さが光る。

 また、「海外の大学を目指せるぐらいの英語力を」と願う保護者にとって、インターナショナルスクール以外の選択肢となるのが国際教育を標榜(ひょうぼう)する私立小だ。昭和女子大学附属昭和小学校(東京都)は今年度からコース制に。二つあるコースのうち、「国際コース」では国語、道徳、社会以外の教科は全て英語での授業となる。

 高まるニーズを受け、東京都以外でも国際系小学校は続々増えている。「2005年に開校し、英語イマージョン教育の先駆けとなったぐんま 国際アカデミー初等部(群馬県)、2016年開校の暁星国際流山小学校(千葉県)なども注目です」(野倉さん)

2024年の注目校

○開智所沢小学校

 埼玉県を中心に展開する開智学園グループが2024年4月に開校。5-5-2制の12年一貫教育。「探究型の学び」を掲げ、主体的な生徒を育む。ホームルームや給食、清掃に加え、遠足や運動会を縦割りで行う「異学年齢学級」も特徴。今年度は新2〜新5年生の転編入学試験も行う。

○昭和女子大学附属昭和小学校

 2024年4月から、1学年3クラスのうち、2クラスを「探究コース」、1クラスを「国際コース」 とするコース制に。国際コースでは、国語、道徳、社会は日本語で、それ以外の教科等は英語で学ぶ「イマージョン教育」を推進。一条校として全国初のケンブリッジプライマリーも導入している。

○東京農業大学附属稲花小学校

 2019年開校の新設校だが、教育熱心な保護者が多い東京・世田谷という立地をはじめ、英語やSTEM(科学、技術、工学、数学)教育、体験型学習などの独自性、食育を意識した給食やアフタースクールの充実などが支持され、開校当時から伝統校に並ぶ勢いの人気に。

(文/澤田聡子)

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