子どものお弁当作り、喜ぶ顔が見たくて早起きしてがんばる人も多いのではないでしょうか。一方、何事もがんばりすぎないパリのママたちは、お弁当作りもかなり適当。パリ在住の作家・藤原淳さんは娘の遠足に付き添ったとき、ママ友たちが持ってきたお弁当に衝撃を受けたそうです。さらに、藤原さんが張り切って作ったお弁当には、意外なリアクションが—―。藤原さんの著書『パリジェンヌはすっぴんがお好き』(ダイヤモンド社)からお届けします。

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遠足で広げられたお弁当にびっくり!

 ある日、娘の遠足の付き添い役を買って出た時のことです。

 遠足はパリ市内にある小さな動物園に半日出掛ける、という内容のものでした。付き添い役を募るメールが届いた時、私は即座に登録しました。有休を取っての参加でしたが、娘の初めての遠足です。どうしても付いて行きたかったのです。

 当日は張り切って早起きをし、いつもより力を入れてお弁当を作りました。準備したのは日本式におにぎりとタコさんウインナー、卵焼きにかまぼこ。偏食の娘は決して食べないブロッコリーも彩りに添え、リラックマのお弁当箱に詰めてみるのですが、詰め方が下手なためにいまいち見栄えがしません。意気消沈しながらも、頑張ってイチゴとうさぎりんごも用意し、イザ、バスに乗って、楽しい楽しい遠足に出掛けました。

 付き添いには私の他、3名の母親が来ていました。朝カフェの時に会ったことがあるセリーヌとジョゼフィーヌ、そして翻訳家だという在宅ママのミッシェルです。お目当てのレッサー・パンダを見学し、園児に大人気のピンク色のフラミンゴをさんざん見た後、動物園の一角でお弁当の時間となりました。お腹が空いている子供達は歓声を上げ、それぞれお弁当を広げ始めました。

 その内容は、目を見張ってしまうようなモノばかりでした。

 ある子はソースなしの素パスタ。別の子は如何にも残りモノっぽい、焦げた骨付きの鶏もも肉に茹でたジャガイモ。スーパーの包装紙のままのタブレ(クスクスに野菜やハーブを和えたサラダ)を取り出した子もいれば、冷え切った三角形のピザを2枚持たされた子もいます。

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