湖や森でゆったりとした時間を過ごすことが多い、スウェーデンの夏休み。とりわけ親戚や家族と一緒に湖で泳ぎ、ザリガニ漁をするのが贅沢な楽しみなのだそう。自然を守るために一定の大きさ以上のザリガニはリリースするなど、環境の学びも大事な体験。机の上では学ぶことのできない大切な価値観や旅先で歴史を学ぶ家族が多いという、夏休みの様子について、翻訳家の久山葉子さんにつづってもらいました。

湖と森を守りながら楽しむザリガニ漁

 夏休みに入るころには真夜中でも完全には暗くならないスウェーデン。快晴の日でも25℃程度と最高に過ごしやすい季節です。学校は6月半ばに終わり、新年度が始まる8月後半までは宿題もなく、子どもたちにとっては完全に勉強から離れて過ごす時間。普段はなかなか会えないおじいちゃん、おばあちゃんやいとこに会いに行くファミリーは多く、それが田舎なら普段とは違った体験もできます。

 私にとってのスウェーデンの実家は、高校で交換留学した時のホストファミリー。先祖代々伝わる農場を自分たちで改装して住んでいますが、もう農業は営んでいないので納屋や牛小屋はガレージや誕生パーティーなどのスペースとして活躍中。古いものを大切に使うのは今のトレンドでもあります。

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