とれたてのザリガニは黒っぽいけれど、ゆでると鮮やかな赤に。ロブスターのような味とも。

 この農場での夏のハイライトは8月に解禁されるザリガニフィッシング。スウェーデンではこの時期大きな鍋でたっぷりのディルとともにゆでたザリガニが供されます。普通はスーパーで冷凍ものを買いますが、湖を所有している実家では自分たちで収穫。円柱形の網を湖の底に一晩下ろしておき、翌朝引き揚げると中にはたくさんのザリガニが。10㎝以下のものはすぐに水に戻す法律があるので、子どもたちが専用の定規で測ってリリース。その目には持続可能な環境を守る責任感が宿ります。

 2世代前までほぼ自給自足だったこの農場、かつての暮らしを楽しめる体験の場になっています。

「月の男」の紙のランタンや滑稽なとんがり帽子が典型的なザリガニパーティーグッズ。この日ばかりは無礼講で手づかみでチューチュー吸って食べる。
夏のゴットランド島もおすすめ。中世そのままのヴィースビィの街や奇岩ラウクなど、歴史と地理の実例の宝庫。

(文/久山葉子 写真/久山さん提供)

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