好きなことへの「チャレンジ体験」が効力感を生む

 子どもが失敗して「もうやらない」となったら、少し時間をおきましょう。怖い気持ちがやわらぐと、自然と「またやってみようかな」と思えてきます。練習するとできるとか、できるようになってうれしい体験を重ねると、子どもも自分なりの予測を立てて、努力できるようになるのです。

 ちなみに、自転車や折り紙ができるようになるには、身体能力や指先が充分に発達している必要があります。無理してがんばらせるより、ラクにマスターできるときまで待つのも賢い選択です。「少しがんばったらできた!」という手応えは、子どもの次もチャレンジしてみたい気持ちを引きだします。

 また、子どもが好きなことを応援するのも大切です。子どもは、自分が好きなことをしているときに、自然とチャレンジしています。好きなことで培ったチャレンジ体験が、苦手なことへ挑戦するときに「できるかもしれない」という効力感をもたらします。

 では具体的に、内向・HSC型の子どもへの、OKな接し方をみていきましょう。

【内向型】〇「わたし(親)はできると思うけどな〜」と親の意見を伝える

 内向型は、自分の予測がはずれることを嫌うので、幼少期は失敗を怖がり、チャレンジすることに対して消極的なところがあるかもしれません。失敗すると「もうイヤだ」と言って、意固地になるところもあります。そんなときは「イヤだったね」と言って、その気持ちをそのまま認めてあげましょう。ほとぼりが冷めると、再チャレンジできます。

 また、自分がやりたい、できるようになりたいと思うときには、持ち前の粘り強さを発揮してがんばり抜くことができます。達成したい気持ちが強いぶん、「できない!」と泣いたり怒ったりしながら行うなど、感情的になることもありますが、一生懸命な気持ちを応援してください。

 やりたいことはがんばれる内向型ですが、興味がないことや無理だと思うことには消極的になります。そういうときは、「できるよ」とか「やってごらん」とうながしてもうまくいきません。

 子どものやりたくないを受け入れたうえで、「わたしはできると思うけどな〜」と親の意見を伝えたり、「苦手だと思うと、本当に苦手になっちゃうんだって〜」と一般論を伝えておくと、子どもがそれを気に留めて考えてくれます。

 自分の中で咀嚼して、「そうかもしれない」と思うと、別のときに「苦手と決めつけるのはいけないんだよ」などと言いだすこともあります。このように、子どもが納得して動くまで待ってあげるといいですね。

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