「中学受験の勉強によるストレスで、もともとある皮膚炎が悪化するのはよくあるケースです。かゆみによってなかなか寝つけず、余計にストレスを感じるといった悪循環を引き起こすこともあります」
こうしたケースでは、受験が終わると、症状も自然に軽快していくそう。とはいえ、かゆみがあると勉強にも支障をきたします。
「かゆみがなくなると、勉強に集中できて、よく眠れるようになります。塾などで忙しいと思いますが、早めに皮膚科で治療を受けることをおすすめします」
そもそも子どもの皮膚って大人とどう違うの?
特徴1 乾燥しやすい
思春期までの子どもは、一年を通じて皮脂の分泌量が少なく、乾燥しやすい傾向があります。乾燥していると、外部からの刺激に弱く、かゆみや炎症を引き起こしやすくなります。一方、小学校高学年になると、第二次性徴が始まる子どもも。そうなると、皮脂の分泌量が増えて、今度はニキビができやすくなるのです。
特徴2 大人よりも刺激に弱い
赤ちゃんの皮膚の厚みは、大人の半分ほどしかないと言われています。成長とともに徐々に厚くなっていきますが、皮膚が薄いとバリア機能が弱く、外部からのさまざまな刺激に敏感です。また、子どもは大人よりもアトピー性皮膚炎の有病率が高く、さらにバリア機能が低下している場合も少なくありません。
特徴3 汗トラブルが多い
汗は全身の皮膚にある汗腺から出てきますが、大人と子どもの汗腺の数は変わりません。子どもは大人に比べて身長が低い分、体表面積が小さいため、汗腺の密度が高くなります。さらに汗をかく能力も未熟なことから、上手に汗をかくことができずに、あせもなど汗に関するトラブルが起こりやすくなります。
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