夏は子どもの皮膚トラブルが起こりやすい季節。汗をたくさんかいて、肌を露出して外で遊ぶ機会も多くなります。夏に発生しやすい皮膚トラブルについて、予防や対策、ケアの方法を池袋西口ふくろう皮膚科クリニック院長の藤本智子さんに教えてもらいました。「AERA with Kids 2024夏号」からご紹介します。

MENU 思春期前の子どもは皮脂の分泌量が少ない 受験のストレスで症状が悪化することも そもそも子どもの皮膚って大人とどう違うの?

思春期前の子どもは皮脂の分泌量が少ない

 地域の皮膚科医として、子どもを診る機会が多い藤本智子医師。夏はどのような症状で来院する子どもが多いのでしょうか。

「あせもによって皮膚のかゆみを訴える患者さんがとても多いです。そのほかは、虫に刺された部位を引っかいてとびひを起こしたり、日焼けによって肌荒れを起こしたりした患者さんが多いですね」

 そもそもなぜ、子どもはこうした皮膚トラブルを起こしやすいのでしょうか。

「第一に思春期に入るまでの子どもの皮膚は、乾燥しやすい傾向があります。皮膚が乾燥していると、かゆみや炎症のほか、汗が汗腺から排出されにくくなり、あせもを引き起こしやすくなるのです」

 さらに大人に比べると皮膚が薄く、外部からの刺激を防いだり、皮膚の水分を保持したりする機能が未発達なこともトラブルの原因になるそう。また、あせもに関しては体が小さいことも原因に。

「子どもは大人に比べて体表面積が小さいですが、汗腺の数は大人と変わりません。汗腺の密度が高くなると、汗がスムーズに流れにくく、あせもなどの肌荒れを引き起こしやすくなるのです」

受験のストレスで症状が悪化することも

 特に暑い時季はショートパンツやミニスカートなど、大人に比べて肌の露出が多くなりやすい分、虫刺されや日焼けのトラブルも起こしやすいといえます。

 こうした肌トラブルに、ストレスが加わるとさらに症状が悪化しやすくなるそうです。

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中寺暁子
ライター 中寺暁子

健康情報誌編集部などを経て、2000年からフリーに。医療・健康・教育のテーマを中心に取材・執筆活動を行う。

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