ふと見ると、いつも画面を見ている子ども。毎年、夏休みの懸念事項のトップにあがるゲームや動画問題です。どう向き合えばいいでしょう? ネット依存専門心理師、公認心理師の森山沙耶さんに、「ルールの決め方」のコツを聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2024年夏号」(朝日新聞出版)からお届けします。
【マンガで読む】夏休みの宿題の進め方のヒントはこちら小学生の今のうちから、きちんと「ルール」を決めよう
――夏休みに入ると、どうしてもゲームや動画を見る時間がダラダラと長くなりがちです。
この時代、ネットを見るなというのは難しいもの。とはいえ、使い放題はNGです。時間やコンテンツなど、きちんとルールを決めることは大切。子どもは自分で「見たい、やりたい気持ち」を制御しにくいのです。
そうはいっても、小学生のうちはまだ大人の言うことを聞くので、コントロールが可能です。しかし思春期に入ると、ホルモンバランスの変化も伴い、強い欲求や好奇心を抑えることがもっと難しくなってしまうのです。実際に、ネット依存の症状で私たちのところに相談に来るのは、中高生が圧倒的に多いのです。とくに、小学生なら高学年が多く見られますね。学校に行けなくなったり、昼夜逆転の生活になってしまったり。ここまでくると、親子関係も悪くなっています。
そこで、小学生の今のうちから「切り替える」習慣を身につけることが大切です。そのための「ルール」。決して禁止するのではなく、ネットと上手につきあうためのスキルですね。
ルールを決めることには、次のようなメリットがあります。
1.自律
「もう少しやりたいけれど……」という気持ちに区切りをつけることを学びます。これは自律の練習です。
2.自立
ルールが守れるように、自分で準備を考えたり実践したり。自分のことが自分でできるようになっていきます。
3.自己肯定感
ルールが守れると、達成感や「自分はできる」という自信を得ることができます。これが次へのモチベーションに!
ルールは、家族で話し合って、子どもに決めさせてあげましょう。
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