また、子どもが家事を手伝うことは決して「特別」ではありません。子どもは家族の一員、おもてなしされる側ではないということを明らかにして、家庭に合ったアプローチで仕事を任せましょう。その際、「ながら」でできるものや成果がすぐに出る家事がいいですね。たとえば「洗濯物たたみ」などは、はじめの一歩におすすめですよ(中山さん)

新しい習慣は「セット」で定着させる

 読書やお手伝い……。せっかくの長いお休みに、なにか新しいことを子どもの習慣にしたいと考える親御さんも多いと思います。もともとなじみの薄いことを習慣にする、つまり頻度を増やすには、「頻度の高い行動とセットにする」と軌道に乗せやすいのです。子どもに対する常套句「ゲームは宿題のあと」には、言われなくても自分から起こす行動(ゲーム)を励みにすれば、モチベーションの上がりにくい行動(宿題)も頑張れるという理由があります。新しいことは、子どもが好きなことと組み合わせて取り入れてみてください(森山さん)

親子コミュニケーションの復活

 親子に合った形で、コミュニケーションを深めたり、復活させたりしてみましょう。たとえば、「進級してから、ハグしていないな」と思い当たる人は、夏休みにハグを復活してみましょう。もちろん、無理強いはNGです。ハグのハードルが高いようなら、そのかわりに寝る前の読み聞かせや、一緒に読書の時間をとるのもおすすめです。また、子どもが見ている動画を一緒に見たり、ゲームをやってみたり、マンガを読んだり。子どもが考えていることが見えて、逆に安心することもあります。そして、特別な場所でなくても、夕食の買い物などに出かけるのもいいでしょう。値段の割引やレシートの見方などを教えてあげると、話が広がって会話も弾みますよ!(松尾さん)

「学童」への向き合い方

 子どもが夏休みのほぼ毎日を学童で過ごすご家庭も多いと思います。そもそも「学童に行くのは当たり前」ではありません。生活の事情などいろいろありますが、子どもにしてみれば、親の都合で行くのが実情です。まず、この気持ちを親御さんには持っていてほしいと思います。しかし「ごめんね、今日も学童に行ってね」と子どもに「申し訳ない」感情を表すのはどちらにもメリットはありません。その気持ちは心の中に留めて、明るく送り出してあげましょう。そして、長期休みの際は学童をお休みする日を設けましょう。子どもだって、息抜きは必要なのです(中山さん)

(構成/AERA with Kids編集部)

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