Q 検査はどんなことをするのですか?

 綿棒などでのどの奥をこすって採取した咽頭ぬぐい液に、溶連菌がいるかどうかを調べる検査です。溶連菌がいる場合に陽性となる確率は約80%です。早ければ5分ほどで結果が得られます。

 溶連菌感染症は細菌による感染症で、抗菌薬が効きます。一方、一般的な風邪の原因であるウイルスに抗菌薬の効果はありません。必要がないのに抗菌薬を処方することは患者さんのからだに負担がかかるうえ、適切でない使用によって、薬が効かない薬剤耐性菌が増えることが世界中で問題となっています。このこともあり、「迅速診断キット」による的確な診断が重要。きちんと診断をしてもらったうえで、該当する場合のみ、抗菌薬を処方してもらうことをおすすめします。

薬はあるの?

Q 具体的な治療法は?

 A群溶血性レンサ球菌に効果のあるペニシリン系の抗菌薬を飲むことが基本になります。10日間と長めの服用になりますが、これは病原菌を抑え、合併症の発症を防ぐために必要な治療期間だというエビデンス(科学的根拠)に基づいています。薬が効くと1~2日で元気になる子どもが多いですが、途中で薬をやめてしまわずに、指示されたとおり飲み切ることが重要です。

Q 合併症にはどのようなものがありますか?

 リウマチ熱と糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)があります。どちらも、からだに入ってきたA群溶血性レンサ球菌を排除しようとして作る抗体の産生物によって起こります。リウマチ熱は免疫反応によって関節や皮膚、心臓に炎症が起こる病気です。発熱や関節痛、胸の痛みなどの症状が特徴です。

 腎炎は腎臓を構成する毛細血管の塊である「糸球体」に炎症が起こることによって、発症します。むくみや尿量の低下などがサインです。どちらも、溶連菌感染症を発症後、数週間たってから起こってきます。疑わしい症状があったら、すぐに医療機関を受診し、溶連菌感染症にかかった後であることを伝えましょう。

 なお、リウマチ熱で心臓に炎症が起こると、心臓の弁に異常が起こる心臓弁膜症を引き起こすことがあるので、定期的に検査を受けることが大事です。糸球体腎炎は、発症してもほとんどは時間の経過とともに治癒します。ただし、腎炎を発症しているときは血圧が上昇したり、尿が出にくくなるので、治るまでは安静治療が必要です。

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