食事が楽しくなる3つのポイント
――感覚過敏といっても、いろんなケースがあるんですね。そうはいっても、学校のある日はほぼ給食がありますし、なんとか苦手意識を減らせるといいのですが……。家庭でできる対策はありますか?
まず基本の考え方として、偏食や食べられないことは大目に見ましょう。「食」は一生のことなので、「食べること=苦行」にならないことが大切です。お子さんの成長とともに脳が発達して受け取れる刺激の幅が増えれば、偏食や給食嫌いは徐々にやわらいでいきます。給食が苦手な子は、最初は「好きなものをたくさん食べる練習」から始めましょう。ここでは「給食の対策」のポイントを三つ紹介します。
(1)事前にメニューを知らせておく
発達凸凹があって見通しが持てないことに不安を感じる場合、給食のメニューを事前に伝えておきましょう。お子さんが食べたことがないものがあったら「こういう食べ物だよ」と言葉で教えたり、余裕があればおうちで作って食べてみたりしても。
(2)食べられる量を伝える練習をする
自閉スペクトラム症タイプの子は、完璧主義の傾向があるため「出されたものは全部食べなきゃいけない」と思い込み、余計に苦しい思いをしていることも。「無理して全部食べなくていいんだよ」と伝えておきましょう。盛り付けてある量が多く感じられる場合は、食べ始める前に「量を減らしてほしい」と伝える練習をしておくのも効果的です。「お皿のここまで入れて」と、自分が食べられる量を指で示して意思表示できるような練習、工夫をしてはいかがでしょうか。
(3)「食べられた!」の成功体験を積む
「量を減らしたら全部食べられたね」「初めて食べるものに挑戦できたね」などと、「できた」を感じられるような声かけをしていきましょう。親御さんの「これ、おいしいよね!」というイメージづけはしなくて大丈夫です。
――食べることに前向きになれそうですね。
「食事は楽しいこと」と記憶させることが大事なので、食事中の会話を工夫したり、好きなキャラクターの食器を使ったり、好きなものをいっぱい食べたりと「食事を楽しむ練習」ができるといいですね。
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