とは言え、自分でやると決めたことですし、妻にしっかり休んでほしいという気持ちもありましたから、インターネットで情報を検索して、ありとあらゆる夜泣き対策を試しました。お腹は空いていないか、縦抱っこがいいのか横抱っこがいいのか、部屋は暑過ぎないか、明る過ぎないか、静かな方がいいのか少しノイズが合った方がいいのか……とか。それでも夜泣きはおさまりませんでしたね。次女は鼻が弱くて、鼻水や鼻詰まりがあると、飲んだミルクを吐いてしまうこともありました。

――どのくらいの期間、夜泣きは続きましたか?

 半年経ったころから、少しずつ回数は減りました。でもたった半年とは言え、心身ともにこたえましたよ。年齢のせいにするのはよくないですが、40代後半ともなると20代、30代のころのような体力もないし、「徹夜でいっちゃえ〜」みたいなノリもありませんからね。

「育児は裏切らない」の言葉が支えになった

――いくら育児に熱心なパパでも、半年間も夜泣きのお世話をできる人は、なかなかいないと思いますよ。

 ありがとうございます。僕はそういうことを誰かに言って欲しくて、頑張るタイプです(笑)。

 当時から今まで、僕の心の支えになっているのは、司会を担当していた子育て番組で聞いた「育児は裏切らない」という言葉です。努力は裏切らない、友だちは裏切らないって言いますけど、場合によっては努力にも友だちにも裏切られることはある。でも子どもとしっかり向き合い、真心をこめて育児に取り組めば、そのことはいつか必ず子どもの成長にいい成果をもたらすと聞き、なるほどと思いました。成果が出るまでには年単位で時間はかかりますが、そこは長期の投資信託だと思えばいい(笑)。この言葉は、励みになりますね。

「コロナ×更年期」で気が滅入ったことも 

――古坂さんが夜泣きで悪戦苦闘していたころ、世の中はコロナ禍の真っ只中でした。いろいろな不安もあったのでは?

 社会からの隔絶は、しっかり感じましたね。あとは年齢的に更年期のような症状もあったかもしれません。40代後半と言えば、自分の実力も客観的に理解した上で、まだまだいけるとは思いつつ、色々な結末も少しずつ見えてくる年齢じゃないですか。そんななか、育児というまったく自分の思い通りにいかないタスクと向き合ったことで、気持ちが滅入ることもありました。

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