2人の娘、息子を育てたフリーアナウンサーの堀井美香さん。実は大のクラシックファンでもあり、8月に開催される新日本フィルハーモニー交響楽団の「Hello!! シネマミュージックin Summer」では、司会を担当。そんな先輩ママ・堀井さんに、いま振り返って思う「子どもと音楽のベストなかかわり」について聞きました。

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わが子へのクラシック教育はあまり上手くいきませんでした

――堀井さんご自身は、中学生の頃からクラシック音楽がお好きだったそうですね。

 はい。中学生のとき、たまたまラジオでブーニンのピアノ演奏が流れてきたんです。その音色を聴いて、もう大好きになってしまって……「これは奇跡的な出会い。運命だ!」と思うほど感動しました。

――ブーニンは1966年生まれ、ソ連(現ロシア)出身のピアニストですね。その後亡命し、日本でもコンサートを開いています。

 ブーニンはショパン国際コンクールで優勝してから、日本でも大人気になりました。当時私は秋田県の高校生だったんですが、母が「ブーニンのコンサート、東北だったら、旅費とチケット代は協力するわよ」って言ってくれて、追っかけみたいなことをしてましたね。秋田でのコンサートは早朝から地元のカワイ楽器店に並んで、最前列の席を手に入れました。

――お母さま、理解がありますね。

 母は、私と姉にも幼い頃からピアノを習わせていたんです。でもね、私たちへの指導はとても厳しかった。それが嫌で嫌で、「ピアノなんて早くやめたい!」と思いながら続けていました(笑)。そんな私がブーニンに夢中になったので、母はうれしかったんだと思います。

――お母さまから堀井さんに「クラシック愛」が受け継がれたんですね。それは、堀井さんの2人のお子さんにも伝わっているんですか?

 娘も息子ももう社会人なのですが、振り返るとあまりうまくいかなかったですね(笑)。

――うまくいかなかった? それはどうしてですか?

 よく子どもたちを演奏会に連れていきましたが、本格的な交響曲とか少し難しい曲の演奏会が多かった気がします。しかも1曲は長く、その間じーっと黙って聞いていなくちゃいけない。果てしなく苦痛だったはずです。

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神素子
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