読む力の成長にも、同じことがいえます。3年生のときには「3年生向けの本」が難しすぎて読めなかった子どもが、読書経験を積んで6年生になると「6年生向けの本」をスラスラと読めるようになっていたりするのです。

 たとえ読む力の成長が遅くても、それは読む才能がないせいではありません。読む力は、何歳からでも高めることができます。そのときどきのレベルに合った本を読み続けていけば、それが栄養となって読む力は伸びていくのです。

「疲れずに読める難しさ」の本を探し出そう

 子どもにとっての「ちょうどいい難しさ」がよくわからない。そんなときは、子どもとともに図書館の本棚をめぐり、勘を頼りにまずは1冊を選びとってみてください。漢字の多さや一文の長さといったポイントのほかに、文字の大きさや挿絵のわかりやすさなども、難しさを判断する材料になります。

 ひとまず1冊を選んでみたら、その本よりも簡単そうなものと難しそうなものを何冊か選びます。できれば、最初の1冊よりも2学年分くらい簡単そうな本と、1学年分くらい難しそうな本をあわせて5~6冊選んでみてください。厳密な難しさを気にする必要はなく、なんとなく4学年分くらいの幅があるセレクトになっていればOKです。

 選んだ本を机に並べたら、子どもにパラパラとめくってもらいましょう。このとき重要なのは「読まなくてもいい」ということ。「疲れずに読めそうな本を選んでみて」と声をかけて、少なくとも1冊を選んでもらえば、子どもが持つおおよその「読む力」を判断することができます。

 その力をさらに正確に見極めたい場合は、本の難しさの幅を縮めてこのプロセスを繰り返します。一度目に選んだ本を基準にして、半学年分くらい難しそうな本と簡単そうな本をあわせて5〜6冊集め、その中から「疲れずに読めそうな本」を選んでもらうのです。

 このときのポイントは、

 そうすることで「子どもが楽しく読書をするために、どの難しさの本が適しているのか」を知ることができるのです。

『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から

東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書

笹沼 颯太

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「Yondemy」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る24歳。

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