毒親に悩むフォロワーから相談がくることも

――今、つつみさんのインスタグラムのフォロワー数は17万人に迫る勢いですが、いつごろから反響がありましたか。つつみさんの元にはどのような声が届いているのでしょうか。

 マンガを投稿して2〜3話目ですぐに反応をいただくようになりました。最初のころは波瀾万丈な体験談を読むことが好きな方々が多くて、「ひどいね」「こんな親いるんだ」というコメントでした。だけど徐々に「実は私も…」と同じような体験をした方々のコメントが増えてくるようになりました。私のマンガを読んで初めて自分の親が毒親だったことに気づいたという方も結構いらっしゃいました。

 毒親に育てられた人たちからダイレクトメール(DM)で相談がくることもあります。今は落ち着きましたが、多いときで1日50件くらい来ていました。結構しっかりした文章で送ってくださる方が多くて。最初はがんばってお返事していたんですが、もう追いつけなくなってしまい、今は読むだけにしています。でもすべてに目は通しています。

――誰に相談していいかわからないという方が多いのでしょうか。

 そうですね。一人で抱えている方が本当に多いです。SNSに載せようかなとも考えるけど、親のことなので仲のいい人とつながっているとなかなか話せない。かといって誰ともつながっていないアカウントで一人でつぶやくのも寂しい。そういった方々が「一方通行になってしまうかもしれないけど、誰かに話を聞いてもらえるだけで気持ちがラクになるから」とDMを送ってくださいます。

※後編<「毒親に育てられた私が子どもを産むなんて」と葛藤したことも 1児の母が前向きになれた「きっかけ」とは>へ続く


(聞き手/大楽眞衣子)

毒親に育てられた私が母になる

つつみ

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大楽眞衣子
大楽眞衣子

ライター。全国記者を経てフリーランスに。地方で男子3人を育てながら培った保護者目線で、子育て、教育、女性の生き方をテーマに『AERA』など複数の媒体で執筆。共著に『知っておきたい超スマート社会を生き抜くための教育トレンド 親と子のギャップをうめる』(笠間書院、宮本さおり編著)がある。静岡県在住。

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