散々迷子になりながらたどり着いた現在はというと、親の思惑とはまったく異なり3兄弟が全員野球人となりました。

 野球を通してこれを学んでほしい、甲子園を目指してほしいとかの具体的な目標は何一つありません。それでも毎週遠い練習場まで自分で道を調べて自転車漕いで通う長男は、自然と地理と時間感覚と主体性を身につけているし、ピッチャーを担う次男は度胸と状況判断力を鍛えているし、暑さ寒さに弱い三男は忍耐力がついてきているし……。

 好きが大前提にあればどんな習い事でも、その子その子に必要な経験や学びを積み重ねているんだなあ。

 そしてー。

 誘っても誰も興味を持ってくれない海外サッカー映像を眺めながら「この俺が野球おじさんになる日が来るとは……」と深いため息をついていた夫ですが、始めてみれば子どもたちよりも熱心に野球教室の指導を習得。コーチが子どもたちに「君たちより横で見てるお父さんのほうが上手くなってるよ! ホラ頑張って」とハッパかけているそうで、何をやるかよりも一緒に楽しみ応援するのが親にできるベストな支え方だよなぁなどと思ったり。

 見守る親のほうも、恥ずかしながらこうして少しずつ学んでいる今日この頃です。

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tomekko
コミックエッセイスト tomekko

中1、小3、年長の男子3兄弟に夫とほぼ男子校な日々を送っている“ポンコツ母さん”。『AERA with Kids』の「脱・カンペキ親修行」では、鋭い観察眼で子育てや家族、夫婦、教育などについて連載中。Instagramでは13万以上のフォロワーに日々育児絵日記を投稿。インスタアカウント @tomekomet

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