(3)左利きだけど両手をバランスよく使って脳に刺激を与えたい。あわよくば暗算が得意になって算数に苦手意識を持たないように→そろばん教室

結果:類まれなる不器用さと興味のなさから全く玉の動かし方を覚えず、計算力に微塵も影響を及ぼさなかった。

(4)論理的思考力をつけて地頭を鍛えれば勉強も得意に→オンラインプログラミングスクール

結果:最初のうちは面白がって自作のゲームを作ったりしていたが、難易度が上がってくるとやる気を失う。親も教えられないし、オンライン指導の限界を感じて退会。

(5)勉強がそんなにできなくてもせめて英語が得意なら!→コロナ禍のオンライン英会話

結果:文法、単語などの基礎ができていない状態でいきなり英会話だけをやっても何も身につかなかった。カメラに映らないところで漫画読んでいたことが後々発覚。

 ほかにも塾や体操教室……懲りずにありとあらゆる習い事に飛びつきましたね。

 これらすべて、自信をつけるどころかやればやるだけ「できない」ことを露呈させ、プレッシャーをかけ子どもの自尊心を傷つける本末転倒な結果になりました。なんで愛するわが子をこんなにも苦しめてしまったのか……無自覚な親毒でビタビタに漬け込んでいたことに気づいた時には長男は「どうせボクなんて」が口癖になってしまっていました。

 こうなってから「そんなことないよ!」「自信を持って」なんて言ってもムダムダムダ。

 そんな習い事地獄の中で、長男の反応が他とまったく違ったものが2つだけありました。

 ママ友が先生でご近所だったから、という軽い気持ちで始めた書道は、左利きの長男の知られざる右手の力を知らせてくれました。緊張感ある固い字を丁寧に書く左手の硬筆に対して、右手の程よく力の抜けた悠々とした毛筆を初めて見た時の驚きと感動は忘れられません。自分と向き合いひたすら納得いくまで黙々と進められる書道は、彼自身の癒しにもなっていたみたい。

次のページへ長男が一度も辞めたいと言わずに通った習い事は?
1 2 3 4