標準成長曲線の描き方にはコツがあります。お子さんの身長を、月の単位でできるだけ正確に点をとり、作成するのです。これで身長が「-2SD」の線よりも下にある場合が「低身長」、身長の曲線が標準成長曲線から外れ、横に寝てきた場合は、成長速度(成長率)が低い「成長率低下」です。
これらのどちらかが見られたら、医療機関を受診すべきタイミングです。受診先はかかりつけの小児科で構いません。そこから必要に応じて、小児の低身長など内分泌の病気を専門にしている医師を紹介してもらってください。
Q.低身長は治療で治りますか。
低身長や成長率低下といった成長障害のうち、約20%は病気によるものです。その場合は適切な治療により、改善が期待できます。治療の方法は病気によって異なりますが、いちばん多く行われているのは、成長ホルモンの注射です。成長ホルモン分泌不全性低身長症(成長ホルモンの不足)のほか、複数の病気が対象になります。
甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの不足)は、甲状腺ホルモン(内服薬)で治療ができます。このほか、思春期のスタートが遅いことによる低身長で、性腺機能低下症による場合は、性腺刺激ホルモンや性ホルモンの補充が効果的です。食事の問題による低身長など、生活環境が影響している場合は生活指導をおこないます。原因がはっきりしない場合がいちばん多いですが、低身長の悩みは同じですので、定期的に成長を確認しながら、その子にとって、よりよい方法をともに考えます。
(取材・文/狩生聖子)
著者 開く閉じる