江戸時代の武家社会や、明治から昭和(戦前)などでは「相続といえばまず長男」という意識が強くありましたが、「源氏物語」の時代には、むしろ土地や建物を女性が相続する例が多くあったようです。物語中でも光源氏が紫の上に権利書を譲る場面があります。また紫式部の主な職場だった土御門殿も、もともとは源倫子(藤原道長の妻)が相続したもの。これは、女性に働く機会が少ないので、せめて暮らしの場に困らないようにと親が配慮するようになったものかもしれません。

(答え:「うそ」)

紫式部の時代からみた現代女性とは?

Q 日本史の中で「女性が生きやすい時代」「生きにくい時代」を一つずつあげて、理由を教えてください。

A  残念ながらというべきか幸いにもというべきか、日本の歴史のなかで、女性が現代より生きやすかったと想像できる時代はないように思います。それでも、自分の才能を発揮できた平安時代の私はある意味ラッキーだったかもしれません。最も生きにくいと思うのはやはり戦国時代。人質や政略結婚、離婚など、武将間で女性が意思のない「物」のように扱われた例も多いし、戦いのせいで命を落とす機会も多かった。ジェンダー平等のためにも平和はとても大切だと思います。

Q 現代の日本女性を見て、どう思いますか?

A  私たちの時代より生き方の選択肢が広がっていてうらやましい。でも、せっかくの選択肢を自由に選べない人がまだまだいるのは残念ですね!

〇文/奥山景布子(小説家)

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