東海(名古屋市)は36人減の1,035人、滝(江南市)は38人減の1,891人など、難関校は微減にとどまり、ほぼ例年並みに推移した。最近では、他地区から腕試しで受験する受験生も見られるという。南山女子部(名古屋市)は713人から700人へと減少するも、女子校の中では減少率が一番低かった。

 愛知県内の私立校でここ数年志願者数を伸ばしているのが名古屋(名古屋市)だ。24年度も1498人と前年より23人増加した。

「名古屋は全国高校サッカー選手権の県大会で優勝、全国大会でも準々決勝まで勝ち進みました。勉強もできてスポーツも強いことが好感を呼んで、今後も人気につながりそうです」

  愛知工業大学名電(名古屋市)も1049人から1230人と増加している。2日間行われる入試では両日とも受けると優遇されることから、2回受ける受験生も増えてきているという。

「愛知県はトヨタ自動車をはじめ製造業が多く、理系に進んでほしいと思う保護者も多いです。同校も理系大学の付属校ということで、人気が上昇。もともと少人数で面倒見が良いという評判で、それが口コミで広がり、志願者の増加につながりました」

岐阜や三重も微増

 愛知と同様に岐阜、三重も小6人口が減少したものの、受験者数は増えた。

「岐阜と三重は、愛知の動向の影響を受けます。愛知より少し前に入試日程が組まれているので、愛知の受験生が岐阜、三重のトップ校を受験し、合格を取って自信をつけつつ、いざというときの進学先として確保しています」

 岐阜のトップ校、鶯谷(岐阜市)の志願者は470人から553人と大幅に増加した。1903年に創立された、岐阜県最古の私学だ。名古屋市内に受験会場を設けており、愛知からの受験生も増えている。

「名古屋駅から鶯谷の最寄りの岐阜駅まで20分程度と、名古屋からも十分通える距離です。これからも伸びる可能性が高い」

 同様に三重のトップ校、高田(津市)も546人から593人に増加。愛知からの受験生も増えている。

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