同調圧力の正体を知るためには

 学校でも会社でも「みんなと合わせなくてはいけない」という「同調圧力」はあります。特に日本はこの同調圧力が強い国、と言われていますが、この同調圧力の正体を知るためにうってつけなのが「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる(岩波ジュニア新書)。こちらも小中学生から大人まで幅広く読める本です。

 著者は劇作家・コラムニストとしても有名な鴻上尚史さん。AERA dot.での優しく、軽妙な人生相談の連載も人気です。鴻上さんは同調圧力という言葉について、子どもたちにこう解説しています。

「『世間』には、『みんなと同じことをしないといけない。みんなと同じ格好をしないといけない。みんなと同じことを言わないといけない』というプレッシャーというか圧力があります。少し難しい言葉で『同調圧力』と言います。」

「世間」とは学校や会社の仲間、近所の人たちなど自分と関係のある人たち。何も関係がない人たちは「社会」。つまり、「みんなと一緒でなくてはいけない」というつらさから抜け出すためには、「世間」とどう付き合っていけばいいのかを知っておけばいいのです。このように世の中の人間関係を線引きするだけで人付き合いはぐんと楽になります。

ママ友や職場での女性同士の人間関係には

 同調圧力の中でも、特にママ友や職場での女性同士の人間関係に悩みを抱えている人たちは、整理整頓 女子の人間関係(サンクチュアリ出版)がおすすめです。著者は、精神科医で「対人関係療法」の第一人者として人間関係に関する著書も多い水島広子先生。

 この本では、女性にありがちと言われる「嫌な部分」をカッコ付きの「女」と定義し、そんな「女」に巻き込まれて、精神が疲弊しないための方法をシチュエーション別に教えてくれます。

 驚くのが、「女」の対応には「女を癒す」ことが大事、とあること。つまり、「女」を否定せず、ありのままを受け入れてあげましょう、と提案しているのです。実は、「女」が持つ特徴の多くが、虐待やいじめなどにより、他人から傷つけられてきた人たちに見られる特徴と共通しているとのこと。

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