この春からわが家の長女が1年生になります。長男の際に入学は経験しているとはいえ、やはり最初は親子でドキドキ。「6年間楽しく過ごせますように」と願いを込めながら、学用品に名前を付けました。
小学生になると、随分親の手を離れる気がします。
ランドセルを背負って一人で学校に行く後ろ姿は、頼もしくもあるけれど少しだけ寂しくも感じたり。
子どもだけの世界はぐんと増えるけれど、まだまだ心の目は離さずに寄り添っていきたいなぁと思う、春の親心です。
そんな新しい季節にわが家でたくさん読んだのがこの本。
『おはなしきょうしつ』
今の時期、書店にもたくさんの新一年生向けの本が並びます。幼稚園、保育園とはまた違う環境なので、親としては前もって教えておきたいあれやこれもありますが、純粋に新しい世界を楽しみに待っている子どもたちに寄り添ってくれるお話もぜひ楽しんでおきたい。
この本はまさにそんな1冊です。
見開き1ページの短いお話。登場するのはすべて学校に関係のあるものです。えんぴつやふでばこなど既に身近にあるものから、学校のつくえやおどうぐばこ、通知表、こくばんなど、もしかしたらまだ見たことのないものもあるかもしれません。
そんな彼らが繰り出す、ちょっと笑えるお話がたくさん詰まっています。どれもこれも、きっと今から学校で身近な存在になるもの。そんな彼らと、入学前にお話を通してちょっとだけお友達になっておく。そうすることで、新しい環境の中に少しだけ安心感を持てるのではないでしょうか。
不安もある新しい季節だからこそ、こうしたお話を親子で笑い合う時間を大事にして欲しい。
その時間もまた、新しい生活の中で子どもたちのお守りのような存在になってくれることと思います。
一方で、「小学校」という、より一層目の届かない場所へお子さんを送り出す親もまた、心がそわそわしますよね。
そんな時はぜひ、この本を開いてみてください。
『一年一組せんせいあのね』
低学年に身近な「あのね帳」をご存じですか? 日記のようなものですが、それよりもなお先生と距離の近い、対話ノートです。
この一冊に、たくさんのみずみずしい1年生の言葉が詰まっています。等身大のそれらは、時にクスッと笑えたり、時に心に響いたり。大人の感覚だと失ってしまったような感性が散りばめられています。
わが子もきっと、学校でたくさんのことを感じているんだろうな。それを「せんせいあのね」と、真っ直ぐに伝えて受け止めてもらえているんだろうな。子どもたちの心を少しだけ垣間見られるようで、安心できます。
子どもが学校に行き、静まった部屋で、ぱらりと開いてみてください。きっと離れていても、お子さんに思いを馳せることができると思います。
(文/ayumi)