子どもは、シンプルに「楽しい!」が正義

――たしかに、今の子どもたちのまわりは本より魅力的なものにあふれていますね。 

 本は基本的に文字情報なので、読書ではその状況を頭に浮かべる想像力、思考する体力なども大切です。でも、動画はそれが必要ありません。自動的にその子のレベルに合わせた「おすすめ」が次々に現れてきます。

 でも、これに慣れてしまうと「文字だけの本」というものに対して「楽しみ方がわからない」となってしまいます。

 こんなふうに、今は子どもたちに読書をすすめるのになかなか厳しい環境です。でも、僕はこれをネガティブにとらえていません。子どもはピュアなので「楽しい」が絶対。つまり、楽しければ本だって読むのです。子どもにとって、本も動画も楽しければどちらでもいいわけで、「楽しいことがいちばん!」ということでしかないのです。

 大人に言われなくても、子どもが自分から本を読むようになる方法はあります。それは、本の「楽しみ方を知る」「読む機会をつくる」「楽しめる環境を用意する」こと。では、どうすればいいのでしょう?

 これから、この連載でいろいろな方法をお話ししていこうと思います。親子で本の話題で盛り上がる光景、素敵ですよね!

(聞き手/AERA with Kids+編集部 三宅智佳)

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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