おすすめポイント
学校や友だちのこと、おうちでの出来事など、子どもの生活と地続きになるような身近なおはなしを通じて、季節の移り変わりを感じることができます。季節に合わせて読めば、子どもたちの感性をより豊かにしてくれるでしょう。
心あたたまる小さな物語の数々は、化粧品の名コピー「25歳はお肌の曲がり角」を手がけたことでも知られる、森山京(みやこ)さんによるものです。平易ながらもセンスあふれる言葉でつづられたおはなしは、声に出して読んだときのリズムや響きがひと味違います。
四季折々の風物を表す、昔からの言葉もあえて使っているとのこと。たとえば、『はる』の1冊には「よもぎ団子」「うらうら」「陽炎」「菖蒲湯」などが登場します。幼い子どもたちには難しすぎて意味がわからないのではないかと思う親御さんもいるかもしれませんが、森山さんはシリーズのあとがきで「日本語独特の語感やひびきを幼い目や耳にぽっちりとでも伝えたかった」と書き残しています。子どもから意味を問われない限り、説明する必要はないとも。言葉が持つ意味よりも、響きやイメージをまずは感じてほしいからです。たとえ意味はわからずとも、小さなころからいろんな言葉に触れておくことで、言葉に対する感度は高まっていくでしょう。
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