学習量がかなり増える中学受験生活では、塾の宿題を自分でこなすのは至難の業。「学習時間の管理」を自分で行うにはどうしたらよいのでしょうか。中学受験「伸学会」代表で、中学受験の学習指導のほか、スケジューリングやPDCAといったセルフマネジメントのコーチングも行っている菊池洋匡先生に聞きました。「AERA with Kids 2023年秋号」から抜粋してご紹介します。

MENU 学習計画を立てる取り組みを習慣化 「伸学会」流!大量の受験勉強を「自分でまわす」ヒント

*  *  *

学習計画を立てる取り組みを習慣化

 中学受験のスケジュール管理というと、なんとか宿題を終わらせようと親が作成し、うまくいかないと子どもを叱ってやる気もダウン、という悪循環に陥りがち。

「親がスケジュールを作ると『その通りに進まないことが悪』のようになってしまいます。それは宿題を全部終わらせることが目的だから。それより、やり方をどう変えたら学習がうまく進むのか、『過程』を丁寧に見ていくほうが結果的にこなせるようになりますね」

 こう話すのは、受験生にスケジュール管理を指導している伸学会代表の菊池洋匡先生です。学校や塾で忙しい小学生が、どんな手法でスケジュールを管理できるようになるのでしょうか。その秘訣は「予定を立てることより、学習を振り返ることに重きを置くこと」と菊池先生は話します。

「振り返りは行動の改善を考えるきっかけになります。宿題がうまく進まなかったのは、だらだらしてしまったからなのか、集中してやったけど予想より時間がかかったからなのか。自分の行動が原因なら予定を変えずに気をつけてみよう、という話だし、予想が間違っていたなら次回から予定のほうを変えよう、と伝えています」

 振り返りと次のアクションを繰り返すことで習慣化できるようになる学習管理。その方法を続けるうちにさまざまな変化がみられるといいます。

「自分でこなすので意志力が増すというか、自己コントロールが上手になりますね。中学生になってタスク管理ができていると自信になる子も多いようです」

次のページへ
著者 開く閉じる
AERA with Kids編集部
AERA with Kids編集部
1 2