すぐ回復する家庭とそうでない家庭の違いは、「親の柔軟性」だったそうです。
「ある男の子に、抜毛の兆候がありました。お母さんに勉強や心理的な負担軽減を提案したところ『男の子だから丸坊主にしちゃいましょう』と言って、本当に実行されました」
母親が次に選んだ行動は、息子と一緒に子ども部屋の掃除すること。一緒に片付けながら、勉強以外の話をたくさんしたそうです。すると、息子はすぐに回復し、抜毛も見られなくなったといいます。
「たとえ受験期でも一度勉強から離れる、勉強以外の会話をする。これらの行動が非常に重要です。このお母さんが柔軟だったから、いい伴走に変わることができたのだと思います。この方はおうちがお寺なのに、ミッション系の学校に行かれるくらい柔軟な方でしたから」
良い伴走? 悪い伴走? その答えは子どもの反応でわかる
自分の伴走は正しいのか間違っているのか、不安になる親御さんも多いかもしれません。チェックリストでチェックしてみてください。
当てはまる数が多いのはどちらでしたでしょうか。多いほうの傾向が高いといえます。どちらの要素も持っている親御さんがほとんどなので、少しずつ見直して、良いほうに近づけていくことが大切だといえます。そして、チェックするうえで一番重視したいのが、子どもの反応だそうです。
「親が何か一言言うたびに子どもがイライラする、反抗するという状態は、すでに悪い伴走になっている可能性が非常に高いです」と西村先生は警告します。
「子どもは話を聞くとき、自分にとって快適かどうか、自分の自由を奪われないかどうかに重点を置くものです。親から話しかけられると『勉強させられるかも』と警戒します。子どもに何かをさせたいときは、『○○しなさい』でなく、『○○にする?どうする?』という選択肢を与える聞き方をしてみましょう」
(東山令)
※<後編>へ続く