中学受験といえば母親が中心になるケースがかつては主流でしたが、近年は父親と母親、両親でサポートするというケースも増えています。一方、父親のサポートが過熱して「結果的に子どもがつぶされてしまうケースも少なくない」とプロ家庭教師・西村則康先生は指摘します。なかでも、中学受験経験のない地方出身の高学歴な父親が熱心に関わっている家庭が「一番難しい」と言われます。その理由や、親としての理想的な関わり方などについて、西村先生に聞きました。

MENU 高校受験の偏差値70と中学受験の偏差値50、その差のリアル 偏差値30からの最上位校へ、成功の鍵は親のポジティブさと子の素直さ 地方の高学歴父が、自分の成功体験を盲信する理由

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高校受験の偏差値70と中学受験の偏差値50、その差のリアル

「中学受験で一番対応が難しいのは、地方出身の高学歴なお父さんです。ご自身の教育観を頑なに曲げず、子どもに押しつける傾向が見られます」

 重い口ぶりで語るのは、西村先生。中学受験をサポートしていた男児生徒A君は、御三家を目指していたものの一歩及ばず、四谷大塚の入試偏差値50超の、都内の中堅の男子校に進学しました。

 しかし、A君の父親は偏差値だけを見てこの学校への入学に強い不満を漏らしたそうです。父親自身は中学受験を経験しておらず、自身が地元の公立高校から難関大学に合格していました。A君が進学した中高一貫校の大学進学実績は2023年度で見ると東京大学6名、京都大学3名など難関進学校に迫る水準でしたが、父親は同校の大学実績についても知らず、「偏差値の高い学校でなければ有名大学への進学は困難だ」と考えていたようです。

「お父さんはご自身が偏差値70以上の高校出身であったことから、A君の学校を否定的に捉え、『偏差値50の学校に行かせるために金を払っているんじゃない』とおっしゃっていました」

 そもそも、ごく一部の優秀な子だけが行う中学受験とほぼ全員が受験する高校受験では偏差値の母集団が違うため、同じ偏差値50でもその実力は雲泥の差だと西村先生は指摘します。

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東山令
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