東洋英和女学院は進学校として知られており、中学受験で人気が高い女子校の一つだ。

「進路指導では生徒がなにをやりたいか、から始まります。教師は『あなたはどうしたいの?』と聞き、一緒に進路を探していきます。その中で生徒は将来を考えて自分で進学先を決める。クラスのなかには東大や早慶の難関校志望者もいれば、宝塚を夢見る者もいる。どちらも特別な存在ではありません。あくまでも進路の一つなのです」

 2023年の主な進学実績は東京大1人、東京藝術大2人、東京工業大1人、京都大1人、早稲田大14人、慶應義塾大20人、上智大7人となっている。

 高校1年、2年で宝塚音楽学校を受ける生徒もいる。また、大学と宝塚の両方が受かって、宝塚を選ぶ生徒もいる。

「『宝塚を受けます』と生徒が報告に来ます。受かったら宝塚でがんばってほしい。たとえうまくいかなくても、そのまま東洋英和で学校生活を送ることができます。学校はそれぞれが目指していることを全力で応援します。もっとも、宝塚に行きたいから東洋英和に入ったという生徒はいないですね」

 東洋英和女学院の生徒気質については、学校の教育方針、校風からこう話している。

「毎朝、礼拝を行って生徒の心を落ち着かせています。これを中高6年間続けることは、生徒にとって貴重な時となって、自分の大切さを学び、自己肯定感が高い生徒が生まれます」

 このような学校の教えにも、多くのタカラジェンヌが生まれる要因があるようだ。

多くのタカラジェンヌを生み出してきた予備校も

 宝塚音楽学校へ入るための受験予備校がいくつかある。そのうちの一つ、KIEミュージカルスクール(東京と兵庫の2校)は宝塚ファンのあいだで知られており、2023年には、14人の合格者を出している。

 同校代表の小嶋希恵さんは1979年に宝塚音楽学校に入学し、宝塚歌劇団雪組で活躍した。88年に宝塚音楽学校、劇団四季の受験予備校を設立し、多くの舞台女優を育ててきた。指導歴は35年になる。

 小嶋さんは宝塚音楽学校の受験生について、これまでの指導経験から次のように話す。

「梅花高校には宝塚へ行きたいから入ったという生徒がたくさんいます。みんなで楽しく受験しましょう、という雰囲気があります。日本女子大学附属高校の生徒はとても主体的で発想が自由で、強さを感じます。与えられたものを演じるというより、自分たちで作り上げていく、という感じです」

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