集中の度合い、きょうだいの兼ね合い、部屋の使い方……。子どもの学習スペースの悩みは尽きません。読者の4つのお悩みに、教育家の小川大介さんが答えてくれました。現在発売中の「AERA with Kids 2023年夏号」(朝日新聞出版)から紹介します。

*  *  *

■QUESTION 1:
姉はリビング学習で集中できていますが、家族の生活場所なので兼ね合いがうまくいきません。自室学習の弟は取り組むまでに時間がかかってしまいます(中3女子、小5男子)。

A:
学習は「時間当たりの集中度をどう高めるか」が大事。まずは二人の集中しやすい勉強時間を見極めてあげるといいですね。そしてリビング学習は「家族が使う時間」「学習の時間」をすりあわせて、どう使うかを相談して決めるといいと思います。弟くんのほうは勉強のスタートと終了の時間枠を決めて、やる気持ちをリビングで高めてあげてから、自室に送り出すことを心がけてみてください。


■QUESTION 2:
学習場所はダイニングテーブル。今のところそこでうまくやっていますが、この先学習机や個室を作るタイミングに悩んでいます(小2男子、年中女子)。

A:
今は「どんな時」「どんな場所」だと気分よく集中して勉強しているかを観察してみてください。「家族が見えるリビングがいい」のか「壁側で、ある程度視界が遮られた場所を好む」のか、本人が集中しやすい空間に合わせて机や個室を考えるといいと思います。学年が上がってきたから机や個室を考えるのではなく、子どもの「こうしたい」が出てくるタイミングで場所と机を提案できるといいですね。


■QUESTION 3:
勉強はするのですが、終わったあと物を出しっぱなしにして片づけられません。きょうだいで並んで勉強をしていますが、物の貸し借りができず口論になってしまいます(小5女子、小2男子)。

A:
終わったあとで物を出しっぱなしにするのは「始める前に計画がないから」。終わったのではなく、中断しただけになっている。一人ひとりの予定をまず一緒に見てあげましょう。それぞれの予定を照らし合わせて「お姉ちゃんはこの時間、集中したいから邪魔しないようにしようね」とお互いの都合を理解させてあげることで、お互いの時間や空間に侵入しない、という意識付けができるかがポイントです。

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船木麻里
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