浮所:うちも、母は朝早くから一緒に起きて、夜も遅くまで起きてくれてありがたかったな。父が理系で、ふだんから「算数が得意」と口にしていたので、理系に興味を持ち、目が向くようになったので、父の影響も大きいかもしれない。父にも、勉強をよく教えてもらいました。それから、理科好きのルーツと言えるかはわからないけれど、僕は幼いころから、生き物が大好きで、家でもたくさん飼っていました。メダカ、ザリガニ、金魚すくいですくってきた金魚、ハムスター、犬、リス……外で捕まえてきた昆虫を含め、ずっと生き物と一緒に育ってきた気がします。家で図鑑を眺めるのも好きでした。
――「学ぶことは楽しい」そんな実感はありましたか?
那須:知的好奇心は強いほうじゃないかな、と思いますね。「何にでも興味を持つことができる」のも、一つのスキルなのではないかなとも思います。
浮所:僕も、「知的好奇心」はすごくあると思いますね。とりあえず、難しい言葉を使っている感じはあるけれど(笑)。
那須:小さい頃から好奇心旺盛だったわけではないんです。でも、受験勉強もそうですが、知ったうえで見る景色と知らないで見る景色は全然違うな、と思ったので、知っていることはいいことなのではないかな、と。
浮所:受験勉強は、勉強をすればするほど成績が目に見えて上がるので、その楽しさはありましたね。「ここまでできたから次はここまで」という、“アドベンチャー感”があった。パワーアップして、次の冒険に繰り出す、という感じは面白かったな、と思います。
那須:まだ20年しか生きていないけれど、中学受験は一番精神的にハードな時期だったな、と思います。志望校の過去問を始めた6年生の夏には、過去問の解答の部分をアイスと一緒に冷凍庫に入れておいて、解き終わったら、答え合わせをしつつちょっとアイスを食べる、なんてこともしていました。なんとかやる気を消さないよう、必死だったのだと思います。
※「AERA with Kids 2022年秋号」(朝日新聞出版)から一部抜粋
(取材・文 古谷ゆう子)
朝日新聞出版