親子関係がぎくしゃくしがちな“プレ思春期”。この状況でも中学受験をがんばれるコツとは? 個別指導塾TESTEA(テスティー)塾長の繁田和貴先生に教えてもらいました。現在発売中の「AERA with Kids 2022年秋号」(朝日新聞出版)から一部抜粋して紹介します。

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 無口になったり、反抗的になったり、親をうとましがったり。なにかと手ごわくなるプレ思春期。さらに中学受験が重なると、親子でストレスがマックスになりそうです。個別指導塾を主宰する繁田和貴先生は、「こういうときこそ、塾をうまく活用しましょう」と話します。

「なにか言っても『うるせえ』と返されてしまうようなら、迂回して塾をバイパスにして伝えましょう。『どうやらここがわかっていないようなので、見ていただけると助かります』『たぶんですが……宿題の答えを写しているようです』などなど。直接子どもに指摘すると、親子とも感情的になりこじれるケースも想像できます。でも、第三者から言われると、子どもも聞き入れやすいのです」

 これから先もずっと続く親子関係。ここでこじらせてしまうと、中学、高校と引きずる可能性もあります。

「この時期、例えるなら子どもは芸能人、親御さんはそのマネジャーのような関係を意識しましょう。スケジュールを把握して、子どものテキストをチェックしたり、『この日に●●の収録があります』というかわりに、『この日は●●テストだよ』と示してあげたりするのです。そして、どこがわからないか、足りないかをきちんと認識したうえで塾と連携をとりましょう。ここができている家庭は、受験もうまくいくことが多いのです」

 また、親は子どもに勉強を教えなくてもいい、と繁田先生。「大切にしたいのは、教えることより『認める』ことです。今、ここを勉強しているんだね、がんばっているねと子どもを承認すること。その最たるものが、勉強の進捗を親御さんが把握していることなのです」

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AERA with Kids編集部
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