今後は、国内だけではなく、海外でも日本ワインが広がる可能性もあるとNORIZOさんはみる。健康寿命食に理想的とされる和食は、ワインの本場、フランスをはじめ、世界的に人気がある。海外で和食とともに飲まれているのは日本酒が多いが、これが「日本ワインに変わるチャンスもある」かもしれないという。
「日本ワインを海外に広めたいという思いから、ドキュメンタリー映画『ヴァン・ジャポネ』を制作しました。山梨、長野、北海道、新潟のワイナリーを訪れ、生産者に取材をし、1年かけてリアルな日本ワイナリーの姿を撮りました。メインナビゲーターを務めたワインスクール講師のフランス人、フレデリック・カユエラ氏は、3年前に初めて甲州ワインを飲んだとき、『なんだこれ』という反応でした。シャルドネやメルローのように世界品種のブドウになればおいしい・おいしくない、という評価はできるのですが、『甲州』については、基準がわからないから舌が反応しなかった。その彼も、最近は日本ワインを好んでいる。つまり、たくさん飲んでその品種に慣れる必要があると思います」
日本ワインの普及に力を入れるNORIZOさんは、「日本人にこそ日本ワインを飲んでほしい」と話す。
「日本人が日本ワインを『地酒』だと思ってくれないと、海外から友人が遊びにきても『おいしい日本酒を飲みに行こう』になってしまう。それを、『おいしい日本ワインを飲みに行こう』に変えるには、日本の消費者にもっと日本ワインを飲んでもらって、理解してもらうことが大切だと思っています」
(文/山本真由)
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