今年は五輪イヤーだが、その前に冬のスポーツも盛り上がっている。フィギュアスケートは、羽生結弦選手、宇野昌磨選手、紀平梨花選手ら、日本の選手が大活躍。3月の世界選手権に向け大注目だ。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」2月号に掲載された記事を紹介する。
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今季、かつてないハイレベルなジャンプ合戦が展開されているフィギュアスケート。昨年12月にイタリア・トリノで行われたGPファイナルで、羽生結弦選手は銀メダル、紀平梨花選手は4位だった。今季最後の頂上決戦、3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)へ向け、再スタートを切った。
GPファイナル男子は、羽生選手とネイサン・チェン選手(アメリカ)の一騎打ちだった。2人とも「ショートで2本、フリーで5本」の4回転を跳ぶ、史上最高の激戦。パーフェクトな演技だったチェン選手が335・30点の歴代最高得点で優勝したが、羽生選手もフリーで「4回転5本」を降りる快挙を成し遂げた。
羽生選手は15歳で4回転ジャンプを初成功。その後、17歳で「フリーで4回転2本」を成功、20歳で3本成功、22歳で4本成功と成長を続け、25歳の誕生日となる2019年12月7日、5本を見事に成功させた。10年以上も技術を進化させ続けている、まさにスケート界のレジェンドである。
「ネイサンがこのスポーツの限界を上げていくから、モチベーションを得ています。次は、もちろん4回転アクセル(4回転半)に挑戦するつもり。いつの日か、すべての4回転をやることが夢です」
世界選手権、羽生選手はチェン選手との頂上決戦で、人類初の4回転アクセル成功を狙う。
昨年末の全日本選手権でその羽生選手に勝って4連覇を果たしたのが宇野昌磨選手だ。今季はコーチ不在で戦ってきて調子が出なかったが、ここにきて本来の滑りを取り戻した。世界選手権では頂上を目指す。
また女子の全日本を征した紀平選手も、パワーをためている時期だ。GPファイナルでは、初めて4回転サルコーに挑戦。転倒したが、得たものは大きい。
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